現代におけるのぼり旗は、そこで何が開催されているのかを分かりやすく知らせて呼び込みをする目的で使用されています。派手な色を使用することでインパクトを与えたり、企業のコーポレートカラーを使用するなどして道行く人の関心を呼び込みます。
例えばスーパーマーケットなどで「大売り出し」や「セール中」と書かれたのぼり旗を見れば、このチャンスにお得な買い物をするためにその店に立ち寄ってみたいという気持ちにさせます。お店をリニューアルした時には「新装開店」と書けば、フレッシュな気持ちで顧客を引き寄せます。
それらののぼり旗を少し離れた道路から立てれば、それを辿ることでお店へとたどり着く導線を用意するのも効果的です。また、「駐車場完備」と書かれていればそのお店に駐車場があることが分かり、マイカーを利用したい方の来店を誘います。
その一方で大相撲の世界でものぼり旗は利用されており、開催時期が近づくと会場の周辺に立てられ間もなく興行が始まることを知らせます。力士や所属している部屋の名前、スポンサー名などが記されており、人気を表わすステータスにもなっているほか、取り組みで勝利するための願いも込められています。
歴史の中での活用と現代にも残る風習
のぼり旗は戦国時代には、周知の意味で使用されていたのが特徴です。戦が始まった時に家紋の記されたのぼり旗を掲げることで敵と味方を区別したり、それを見て気持ちを奮い立たせたり誇りを思い出すことで士気を高めるためにも利用されていました。
元々のぼり旗は武器の先端に印をつけて目印にするという意味が語源となっており、まさに戦を有利に運ぶために作られたという説が有力です。それが時代と共にアレンジされ、後に情報を周知するための道具として使われるようになりました
。そんな歴史の時代から現代でも残されている風習に使用されているケースに、神社で使用されているのぼり旗があります。神事を行う際に神様が下りてくるための目印として設置するほか、神社に寄付や奉納を行った方への感謝の意を周知するために
名前を記すこともあります。
また、お祭りが開催される時にも日時や期間などを記して、周囲の人々に参加を求める場合もありました。戦国時代にはじめて作られたと言われていますが、その姿や
意味を少しずつ変化させながら、現代においても人々のために活用され続けています。
一目見た時に深い伝統と歴史を感じずにはいられないのも、古の時代から続く息吹がそうさせているに違いありません。